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ペットのご遺骨に色がつく?

立会いセレモニー・出張セレモニーにてペット葬儀・ペット火葬を終えられ、

ご収骨の際にご遺骨をご覧になられたご家族様より


「ペットの遺骨に色がついていたけれど、あれは何?」

「薬のせいと聞くけど本当?」

「火葬時に納めた花の色がつくの?」など、


ご遺骨の色について聞かれることがあります。


お骨の色については、様々な意見を聞くことがありますが、

ペット葬儀・ペット火葬に立ち会う動物葬祭ディレクターとして

経験的に学んだ理由について、ご説明したいと思います。


※動物葬祭ディレクターを認定する日本動物葬儀霊園協会では、

 獣医師法に抵触する可能性があるとして、

 動物葬祭ディレクターが死因やご遺骨の状態について

 医学的な見解を述べることを禁じています。

 本記事はあくまで、Zutto petの動物葬祭ディレクターが

 経験的に得た「こうではないか?」という推測を含む見解であることを

 ご承知の上で、読み進めてください。



【ご遺骨の色は基本的にお身体由来の成分】

基本的にご遺骨はそもそも、「真っ白」ではありません。

もちろん白いところもありますが、

部位によっては、黒色・黄色・褐色など

色が付いていることの方が多いのではないかと思います。


色が付く理由としては「生き物がもともと体に持っている成分」

であることが多いと思います。


お骨の一部が黄色っぽくなる場合、これは

体脂肪の色素が骨に沈着していたためだと考えられます。

大型犬など体格が大きい子、もしくはちょっと太り気味だった子に

比較的見られやすいからです。


他にもすべての生物の身体は

すべて有機物でできている訳ではなく、

鉄分・カルシウムなどの無機物も含まれているので、

これらの無機物が熱によって酸化し、

赤・黒・青っぽい色に変化しお骨に付着することは

ほとんどのケースで見受けられます。



【緑の結晶??】

火葬後、特にお腹の辺りに緑色や青色で結晶化した

小さな塊が残っていることもあります。


これには様々な説や見解があるのですが、

一説にはお身体由来の成分としては「胆のう」という臓器に

蓄えられた色素が熱により結晶化したものではないかと言われます。


確かに経験上、お腹(下腹部)の辺りによく見られますが、

頸椎や頭蓋骨付近に付着していることもあり、

申し訳ありませんがはっきりとは分かりません。



【薬の影響??】

投薬治療を長く続けていると、

体内の薬の色素がお骨に残る、ということもよく言われます。


長く患った子、あるいは直前まで点滴治療を受けていた子の

ペット火葬をお手伝いすることもありますが、

薬の色素その物でお骨の色が変わるということは

はっきりとは言えませんが、あまり無いのではないかと思います。


しかし、治療法によっては体内を整えるために

特定の無機物が増えている、反対に減っているということも

考えられるので、結果的にお身体由来の成分と同じように

お骨に色が付く原因の一つになっている可能性もあります。



【がん細胞で色が付く??】

人の火葬を執り行った時にも言われるそうですが、

癌や腫瘍があるとその部分が黒くなるという説があります。

ただ、これについては事実は分かりません。


がん細胞は健康な細胞に比べて密度が高いらしく、

火葬しても最後まで残りやすい部位だとされています。


それでも充分に適切な火葬時間を確保していれば、

組織そのものが残ることはありません。


がん細胞で特定の色素が多いというものがあれば、

その色素が沈着している可能性もあるのかもしれません。



【副葬品で色が付く??】

Zutto petにお連れいただく時に、

生前に好きだった食べ物・お洋服、お花やおもちゃ等を一緒にご持参されて、

ペット火葬に際して「持たせてあげたい」とご希望される方は多いです。

というより、ほとんどの方が希望されます。


ご持参されなくても、立会いセレモニー・出張セレモニーでは

ご家族に拒否されない限り、お花を手向けてお別れをしていただいています。


このようないわゆる「副葬品」によって

お骨の色が変わる可能性は0ではありません。


お花の場合、種類や大きさによっては「繊維」が

花びらや茎の形のまま残ることはあり、

火葬時にペットを寝かせてあげる耐火マットが変色していることが

まれに見られます。

そのため、お骨に付着することは考えにくいのですが、

繊維がお骨にススとして残ることを防ぐためにも、

Zutto petではお花はお身体の上ではなく周囲に入れてもらうように

お願いしています。


食べ物類は色素が残るということは無いように思います。

そもそも、そんなに色素成分が強いものは、

きっと健康にもあんまりよくないような気がします…


お骨の変色の原因になりやすいものは

お洋服と金属類ではないかと思います。

洋服(繊維類)は特に化学繊維の色素が

残りやすく付着しやすいと言われます。

色素が残らなくても、これも繊維がススとなりお骨に混じりやすく、

また火葬時には煙が出る要因にもなりかねないので

Zutto petでも繊維類はできるだけ減らしてもらうようにお願いしています。

金属類は火葬炉の温度では燃え尽きないですが、

鉄・銅・亜鉛・リンを含む金属は酸化して色が変わります。

(鉄や銅の「サビ」が変色するのはご存知かと思います。)

この酸化金属がお骨に付着することは考えられるので、

基本的に金属類を副葬品とするのはお断りしています。


またガラス類も燃焼する前に溶けてお骨につくのでお断りしていますし、

紙類は特にススがでやすいのでこちらもお断りしています。



【ご遺骨も個性がある】

お骨に色がつく理由についてはなかなか確証の取れないことでもあり、

完全に無くすことはおそらく不可能ではないかと思います。


お骨に色が付いていたとしても、自然なことでありますし、

『まったく同じ生き物が存在するわけがない、だからお骨も全く一緒であるはずがない』

ので、仮に「前と違う」とか、誰かに「ウチと違う」と言われることがあっても

ご心配しないでいただきたいです。


愛する家族のご遺骨であることに変わりはなく、

ご遺骨もその子が持つ個性として、

大切にご供養していただきたいと思います。




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